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YamaRan's:備忘録

「地方記者」
フランキー堺主演の映画「地方記者」。

東北の漁村に駐在するベテラン地方記者(フランキー堺)と、配属されたばかりの新人記者(夏木陽介)の話。

東京の「事件記者」とは違って、地域の人や暮らしに寄り添うような、地方ならではの視点が求められる。新人記者が失敗を重ねながら、先輩に怒られながら、成長してゆく。

夏木陽介さえもうちょっとどうにかしてくれたら、もっと良かったんだけどなー(笑)。
なんて言うんですかね、感情移入できないというか、素直に「新人頑張れ!」という気持ちになれないんだよね。
フランキー堺は文句なしです。

ベテラン記者の奥さん(白川由美)も、内助の功とひと言で済ませられない位の大活躍。
電話番や雑用だけでなく、写真の現像などもこなす上、終盤の工場VS漁業組合のくだりでは、名相棒ぶりを発揮。っていうか出来過ぎ!(笑)

写真を送る電送装置っていうんでしょうか、今で言うFAXみたいなものがちらっと映ってました。
回転する筒に写真を巻いて、針の先でスキャンする仕組みらしい。
Wikiのファクシミリの項によると、「機械走査のドラム回転式」ってやつですかね。
60年代には既にFAXあったんだ。

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「警察日記」
久松静児監督の映画「警察日記」。
ほー、「氷柱の美女」とか駅前シリーズを撮った人か。

福島県・会津の警察を舞台に、小さな町の暮らしを描いた人情もの。

捨て子の姉弟(二木てるみと実弟の二木マコト)と子だくさんの吉井巡査(森繁久彌)。
出稼ぎとは名ばかりの人身売買を仲介する悪徳斡旋屋(杉村春子)と、身売りされる娘(岩崎加根子)。そして彼女に同情を寄せる若いお巡りさん(三国連太郎)。
亭主が家に戻らず、困窮のあまり万引きや無銭飲食で捕まる母子などなど、みんな貧しい。貧しさ故の事件。1955年というと、昭和30年か。こういう地域は結構あったんだろうなあ。

それから何と言っても二木てるみですよ。
名子役の名演技!

他の出演者もキャラの濃い人たち勢揃いという感じで、笑いあり涙あり、満足&満腹。

あ、満腹と言えば劇中の玄米パン見てたら久しぶりに食べたくなってしまった。
中にあんこ入ってるヤツね。
| 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
「しとやかな獣」
川島雄三監督の映画「しとやかな獣」。

団地暮らしの前田一家。長男(川畑愛光)は芸能プロダクションに勤めてギャラを横領。長女(浜田ゆう子)は父親(伊藤雄之助)のすすめで水商売から作家(山茶花究)の二号さんに転身。父親は子供たちに臆面もなく金を無心。そしてそれを笑顔で見守るやさしいお母さん(山岡久乃)。

もう、出て来る人が全員ロクデナシ。
金への執着心もここまで来ればあっぱれですなー(笑)。

中でも飛び抜けてあっぱれな金の亡者が、若尾文子演じる芸能プロの会計係。己の武器を最大限に活かして、長男、社長(高松英郎)、税務署員(船越英二)から金を引き出し、めでたく旅館オーナーに!
動物ドキュメント級の弱肉強食。
生きる事にどん欲なんだな、この人たちは。

橋懸かりをイメージしたという長い階段のシーンや、独特のすり足の歩き方、それから要所要所の音楽等、能の形式に重ねた演出が面白い。
それがまた、妄念というか業というか、そういうドロドロを想起させる。面白い事を考えたものだ。
| 映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
「望郷 - TOKIORE(I)MIX」山口晃展
銀座・メゾンエルメス8階フォーラムにて「望郷 - TOKIORE(I)MIX」山口晃展
まさか私がエルメスの店内に足を踏み入れる日が来るとは思いませんでしたよ。

タイトルは「東京リミックス」「時をリミックス」「時折ミックス」のトリプルミーニング。上手いねどうも。

電柱シリーズ《忘れじの電柱》はちゃんとデカイところがよい。そしてデカイのにプラモっぽい。色と素材のおかげでしょうか。上手いねどうも。
「これだから男子って!」(中二女子口調で)というバカさ加減の中にも、行き届いた心配り。例えば小便器の中の黄色いボール。電柱道も奥が深いぜまったく。

パンフレットのコメントに「男子メカごころ」とあったので、作家の意図は的確に伝わってると思ってよいのでしょうか(笑)。

《正しい、しかし間違えている》は、遊園地にある様な、床が斜めに出来てたりする、三半規管泣かせの小部屋。
入口に階段が3段あるんですが、1、2段目と比べて3段目がやたら低いので、入って来る人は大抵、3段目で足をドスッと踏み鳴らしてしまうのが、ちょっと面白かったです。
ほほほ、鳴らしとる鳴らしとる、と。
まあ、作品とは全然関係ないポイントですけど。

壁には《Tokio山水(東京圖1012)》や《忘れじの電柱》のエスキース等数点。

余談ですが、日光江戸村の忍者屋敷は、2階建ての建物全体がこの調子で出来ているので、気持ち悪さと言ったらもう生半可なもんじゃないのですよ。お好きな方は是非お試し下さい。

最後に《Tokio山水(東京圖1012)》。
上野・浅草/スカイツリー・西日暮里あたり、四谷から西新宿など、要所要所は墨が入ってて、あとは下書きの鉛筆線が見える状態。
次に見る時にはまた様子が変わっていたりするのでしょうか。

ビルを出ると、来た時よりも雨脚が強くなっていました。
傘袋を外そうとしたら傘の骨の先に引っかかってしまい、スッととれない。
そしたらエルメスのドアマンがサッと来て、傘袋を外してくれました。
一銭も使ってないのに傘袋まで外して頂いて、申し訳ない(笑)。
(山口晃展、入場無料です。)

電車に乗り「この辺り、さっきの絵に描いてあった所だなぁ」なんて考えつつ帰る。
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「おとし穴」
勅使河原宏監督の映画「おとし穴」。
日本映画専門チャンネル解説によると「ATG初の日本映画。勅使河原宏監督のデビュー作」だそうです。

「仕事がある」と呼び出された坑夫(井川比佐志)が殺される。廃坑と廃墟の町。唯一の住人である駄菓子屋の女(佐々木すみ江)は事件を目撃するが、犯人(田中邦衛)から金を受け取り、犯人の風体を偽証する。坑夫の遺体を見た新聞記者(佐藤慶)は被害者が炭坑の労働組合長(井川比佐志・二役)にそっくりだという事に気づき、取材を開始。駄菓子屋の女が証言した犯人の風体が、同じ炭坑の対立するもう1つの労働組合のリーダー(矢野宣)に合致する事が判明する。
記者の取材で初めて事件を知った組合長は、「これは罠だ」と、もう一方のリーダーと連絡を取り、急遽話し合いを持つ。
一方、駄菓子屋の女は、舞い戻って来た犯人に絞殺されていた。
ただ1人、坑夫の息子(宮原カズオ)だけが全てを見ていた。

シュルレアリスムですなー。
ゴーストタウンはデ・キリコ、駄菓子屋の女の登場シーンはダリ、後ろ姿はつげ義春。
死者の世界と生者の世界も単純に面白い。
あぁ、なるほど。安部公房が原作なのか。
で、音楽が武満徹、一柳慧、高橋悠治。
もうマジハンパなくバリバリっスよ(笑)。
いや、そのバリバリっぷりがいいのよ。

井川比佐志がまたいい味出してるんだ、若いのに。
この映画の魅力の4割くらいは井川比佐志ですよ。うん。
コレの翌年に「白と黒」の容疑者役か。
あっちも面白かったなあ。
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